旅する小鉢

我が家のご飯の記録と、ご飯を通して考えたこと。

菊芋のきんぴら、菜の花の辛子和え、切干大根の煮物など


f:id:tabikobachi:20200126001843j:image

 

つわりがひどくて、2か月ほど全く料理ができなかった。においがだめなのでマスクをしながら料理していました、みたいな話を子育てサイトで読んだことがあるけれど、料理しようと思えるだけですごいわ…と思った。お米の炊ける匂いが、という程度ではなく、もう台所に近づくのが気持ち悪かった。皿を洗った覚えもない(夫に感謝)。最後のほうにやっとできるようになったのは、夫に刻んでおいてもらった玉ねぎと人参を鍋に入れてだし醤油と味噌を溶いて娘の味噌汁を作る、ということくらいだった。

 

娘にはスーパーで買ってきたコロッケとか、ウィンナーを炒めたものとか、そんなご飯ばかりだったが、最後の最後のほう、「あ、料理できるかも」と思って最初に買ったのが鰤だった。青魚の塩焼きは娘も好きだし私も塩っけのあるものなら食べられた。もたっと重くてぬるっとする生魚の感触すら久しぶりで忘れていて、うぎゃっ、やっぱりなんだか気持ち悪い、と思ったが、次の瞬間、「ぶり大根食べたい…」と思った。そしてそう感じられたことにちょっとほっとした。

 

そこから少しずつ料理ができるようになったが、ちょうど年末年始にかかり帰省したこともあって自分が料理をする機会がなかった。そして年明け二週目くらいにようやくまともに料理した。隣駅に好きな八百屋があり、久しぶりに散歩がてら歩いて買い物に行ったのがとてもわくわくした。週末に八百屋に行って常備菜を作る、ということを以前やっていたが、そんな記憶すら遠い昔のように感じた。

 

菊芋のきんぴら、菜の花の辛子和え、切干大根の煮物、浸し豆、鶏むねの唐揚げ。菊芋は中性脂肪が気になる夫に。菜の花は献立には無かったが店先であんまり美味しそうだったので買った。切干大根は、以前は全く食べなかった二歳の娘がパクパク食べてくれた。娘は大根に限らず野菜をあまり食べてくれないので嬉しくて、このあと二週間くらい毎日食卓に出してしまった。

 

ふつうのご飯だけど、作ることができて食べることができる、それだけでとても幸せ。