旅する小鉢

我が家のご飯の記録と、ご飯を通して考えたこと。

夫の誕生日 いちごのタルト

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2023年2月5日(日)

いつも夫の誕生日はフルーツタルトのリクエストが来る。このお方、自分ではお菓子を作らんくせに、原価が高くて作るのも面倒くさいものをよーく知ってはる。

数年前に白崎裕子さんのレシピを知ってから、小麦粉や乳製品を使わないタルト生地を作るようになって、これが手軽なのでとても気に入っている。フェイスブックを開いたらちょうど5年前の自分の投稿が出てきて、こんなことを書いていた。

先日美容院で雑誌をめくっていたら、白崎裕子さんのおやつのレシピ本が紹介されていた。この人の本をいくつかもっているけれど、簡単でおいしくて、それでいて日持ちがしたり楽に作れる合理的な理由があって、そこが大好き。作りたくてうずうずして、帰りに本屋で買ってきて早速いちごのタルトを作ってみた。
生地にもクリームにも小麦粉、卵、バターを使わないのに、すごく美味しい。ちょうどこの日、久しぶりにお菓子を作りたくてヘーゼルナッツのブラウニーの材料を買いにいくつもりだった。それも大好きなレシピで、こちらはフランス菓子なのでバターも卵もたっぷり使うお菓子なのだけど、そっちよりもタルトのほうが美味しいと感じた。
 お菓子って混ぜるのが命で、混ぜ方ひとつで全然だめになってしまう。メレンゲの泡をつぶさないように、小麦粉にできるだけグルテンを作らないように、卵を泡立てないように混ぜるのが難しい。あと途中で手を止められない。カスタードは小麦粉に火が通った瞬間に火を止めないといけないし、何度まで加熱しする、とか、バターが溶け出さないうちに手早くまとめる、とか、作業するまとまった時間が必要。ブラウニーはまだ簡単なほうだけど、それでも大事な時に娘が泣き出して何度か慌てた。
でも白崎さんのレシピはぐるぐる混ぜるだけのものが多くてとても簡単だった。これは結構衝撃的な感覚だった。フランス菓子のレッスンでは、先生の技術を身に付けたくてたまらない、って思いながら忘れないように忘れないように復習していて、そんなふうに気を張っていることも気持ちが良かった。誰でも簡単に作れるレシピがあったら自分が頑張って身に付けた技術が無意味になってしまうような気すら持ってしまっていた。でも突然泣き出す娘。わたしを呼んでいるのに鍋から目を離せない自分が情けなくて、今まで好きだったお菓子作りの感覚がひっくり返された。。。
あと、生クリームや卵は新鮮なものが必要だし、使いかけたら残りを急いで使い切らなければいけないけれど、白崎さんのレシピの本は普段家にある材料でできるので、育児をしている今のわたしにはちょうどいいのかもしれない。

今も5年前と同じように感じていて、同じものを作っている。ぜんぜん自分が進歩していないような気もするし、しっくり来たものはとことん好きになるんだなーという妙な納得もある。

でも5年経って、このときと違うな、と思うのは、今は「子どもがいるから集中できなくて本格的なタルト生地が作れない‥」と嘆く気持ちが薄れたことかな。作りたければどちらでも作る。自分に選択の余地があって、余裕がある感じ。

今年は白崎さんのレシピで作って、はじめて生地にシナモンパウダーを入れてみた。美味しい美味しい。

今年の夫の誕生日は日曜日で、前日の土曜日、子どもたちは家でごっこ遊びをしたがっていたのに、なぜか夫が「いちご狩りにいこうか」と。私も子どもたちも飛びついて喜んだが、この人すごい計算してない?…ってことに気づいたのは翌日になってからだった。

 

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↓タルト生地。オートミール米粉、豆腐など。

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生地は寝かせたり伸ばしたりする必要がなくて、ポロポロのままタルト型にざざーっと流して指でぎゅっぎゅっと押さえるだけ。

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長女(5歳)と次女(2歳)がいちごをのせてくれた。

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