旅する小鉢

我が家のご飯の記録と、ご飯を通して考えたこと。

白和え

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好きな料理というのはたいてい母が作ってくれたものだけれど、母のレパートリーにはなかったけれど好きになった料理ももちろんある。好き、なのだけど、この味、というのが身体に染み付いているわけではないので、味迷子になってしまう。

白和えはそういう料理。この味、というのが私の中にまだない。それに、具の水気が切れていなかったり、下味をつけるのを面倒くさがったりするとそのツケがこれでもかというくらい現れて味がぼやける。

豆腐の水を切るのも面倒くさいのに、豆腐をこす、具を予め湯がく、下味をつける、なんて工程が多いんだろう。なのに日持ちもしない、ああ面倒くさい。

これまで食べた中でいちばんおいしいと思った白和えは近所のお店で食べた黒豆と小松菜の白和えで、何が入っているのですかと聞いたらねりごま、しょうゆ、塩だったかな。でも子どもがいると、あれなら食べてくれるかな、これなら食べてくれるかな、ちょっとでも多く具材を入れて栄養価をかせぎたい、などと考えてしまいぐちゃぐちゃの料理になる。

間違えて木綿豆腐を3丁も買ってしまったので久しぶりに作った。ああ面倒くさい、面倒くさいと言いながら食卓に出したら、夫に「白和えを作るときはいつもそう言ってる」と言われた。