旅する小鉢

我が家のご飯の記録と、ご飯を通して考えたこと。

柚子のシフォンケーキ

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家の前に植えた花柚の木に実がついた。柑橘を植えると決めたとき、わたしそんなに実を収穫したがっているように見えたかしらんと思うくらい、植木屋さんに「地植えはすぐには実がならないですよ」と念押しされた。まず木が根づくのに生命力を使うそうだ。その言葉のとおり一年目は実がならなかった。でも二年目の夏、青い実がなってちいさく感動した。


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2歳9か月の娘とろうそくを吹き消す遊びをしていたら、娘はそのあとわたしの携帯電話を引っ張り出してきて、夫の誕生日にフルーツタルトのデコレーションを一緒にしたときの写真を眺めていた。そして「おとうさんのたんじょうびケーキつくりたい」と。そして、娘が保育園に行っている間にケーキを焼いておく約束をした。あとから上にくだもの乗せてね、と。ホールのケーキを焼くのは面倒だったのでカップケーキの絵を描き、ほらほらこんなやつを作っておくよと言ったのだが「ううん、おおきいのがいい」とのことだったのでそうした。娘の話を聞いてやるつもりでついつい自分の都合を優先させてしまうので、できることなら小さな希望を叶えてやりたいと思う。

 

保育園まで一緒に歩きながら、キウイ、もも、ぶどうを買っておくねと伝えた。本当はいちごが乗せたかったらしいが、いちごは夏には無いのよというと次に出てきたのがキウイだった。こんなに小さい子どもでも、ケーキにいちごを乗せたいというイメージが出来上がっているのだなと思うと面白い。キウイは謎だが。

 

その日は金曜日だったので、デコレーションは週末のおうち時間のネタにしようと思い、娘が保育園に通っている間に柚子の皮を入れてシフォンケーキを作った。翌朝、娘は起き抜けから「おとうさんのたんじょうびケーキつくりたい」と思い出し、キウイ、もも、ぶどうもきっちり覚えていて、デコレーションしてくれる気まんまんだった。と言っても娘は粉もののおやつが好きではないので、お目当てはくだもののつまみ食い。カットしたくだものをふたつの器に分け、「こっちはぜーんぶたべるの。こっちだけ乗せてもいいよ」等といってほとんど食べられてしまった。

 

青い柚子は香りが強いから皮を削って使うのみで果汁は使わない、と夫の親戚に聞いたことがある。さらに普通の柚子より小さい花柚の実なので、3個削ってもほんのり香ったくらいだった。とはいえ、自宅で育ったものを食べられるというのは嬉しい。